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コキハウスの理念 「今、日本人を救う家づくり」

 

福利産業株式会社
代表取締役 松倉 守

 

今から35年以上前になりますが、1986年に東京で開催されたホーミースタディグループ(HSG)の説明会に参加したとき、『住まいとは建物であると同時に一番身近な環境であり、住み手はその環境の影響を受け続ける』、との言葉に愕然としました。

それまで、木材店である私は、「家のどこにどのような樹種の木材を使用するのがよいかを考え適材適所に用いること」、また「要望された木材の使い方に対応した木材を提案・提供すること」が木材店の役割であると考えていました。

 

しかし【家づくり】は、「建てる敷地の持つ自然の力を引き出して活用し、住み手と検討して間取り計画された環境の家づくりを工務店はなされていると、まず木材店として理解しなければならない」というのです。

木質環境の科学.jpg家を、住み手から見て身近な環境として捉えると、木材の材質のみではなく、その木材から人が受ける影響力をも考慮した木材の選別が必要となり、更なる木材店としての仕事の範囲と、それにかかわる文献の読み込みを必要とすることを思い知らされました。その後、幸いにも京都大学の林産学研究室関係の書籍(「木質環境の科学」山田正 編)に接したことにより、この課題の入口には達したのではないかと感じました。さらに、各樹種の効果などの研究発表が各大学から出され、人間の心の安らぎ、寿命についても研究発表が続いていますが、総合的判断・提案ができるように、家と人間の安心・安全・快適・ゆとりなど環境との相互補完を主に、そして「空気質」の標準値についても取り組んでいきたいと考えてきました。(空気質については後述いたします。)

ホーミースタディグループとの出会い

ホーミースタディグループ(HSG)は、グループができて40年間、住宅の環境(室内外)に対する研究を続けています。HSGは会主であった故冨田辰雄氏の「ハンチントン博士の日本の民家に対するレポート(日本の民家は世界に類を見ない自然との調和の中にあり、こんな環境の中で生活する国民は世界に貢献する民族になるであろう)」との出会いから始まっています。

冨田氏はそれまで年間200~300棟の住宅を建てていました。しかも色々な工夫を取り入れ、誠意を込めて建てていたのですが、それでも人それぞれの指摘をされることに悶々としていた時このレポートに出会い、「家は環境を合わせ持つ」ことを発見し、ハンチントン博士のレポートをもとに世界の住宅を巡って、各国での実状を把握しました。

 

HSGでは環境を追求した家を「幸福を生む住まい」と名付け、その立証に向けて、敷地の自然の徹底した分析から始めています。【住まい】は住み手の最も身近な中心的な環境であるので、家族の人格や運命に大きな影響を及ぼします

住まいを考えるとき、敷地の分析の上に立ちお施主様と幸せ科学研究会員(工務店)とが智恵を出し合った間取り計画が家の命と申し上げてもよろしいかと存じます。

住まいのHSG理念の設計を具現化するには工法が必要です

間取り計画ができ、次に実際に家を建てていくわけですが、現在の家づくりに関して、国土交通省は「高気密・高断熱」を推奨しています。「高断熱」についてはよろしいかと存じますが、「高気密」は日本の風土、また人が住む家の環境には適しません。機械換気による換気システムは、どうしても室内に淀みが残りカビやダスト・揮発性物質などの溜り場になります。部屋全体の空気が循環されていないのです。

 

これまで色々な工法を見てきました。今日までの工法は安くできる、早くできる・構造が強固である・長持ちする・省エネであるとか、そして2×4も入ってきました。しかし、それらは私には満足できないものでした。

何が抜けているのかと言いますと、まず日本の風土に合っていないことです。家の中では生身の人間が生活し、子供を育て自らも年を重ねていきます。それには明るい環境と風通しと太陽と室内の空気質の正常値が不可欠だと私は考えています。

人間は生命を維持するために食事をとりますが、一番に体内に取り入れているのは空気です

空気質とは?

「空気質」という言葉をご存じでしょうか。空気質とは「建物内の空気の成分量」を表します。室内空気質の主な基準値は、酸素≒21%、窒素≒78%、アルゴン≒1%、二酸化炭素≒0.03%などです。つまり健康な生活の為には、この数値を保持している家に住むことが大切です

体内に取り入れた酸素のうち25%以上を脳が使用し、不足する場合は極端に言えば手足に送る酸素を減じても主要な臓器を守るように働くと言われています。そこまではいかなくても、人は空気を吸収し酸素を体内に取り入れています。この「空気質」は締め切った部屋では少なからず酸素の濃度が下がります(18%以下不可)。酸素の少ない空気を取り入れることは、身体に良くない現象が知らず知らずのうちに蓄積されていくことになります。

例えば、朝の寝起きが悪い、朝身体がだるいなどの現象がある場合には部屋の空気質に原因があることが多いのです。

『家は自然の一部を囲い込んだもの』ですから自然と同じ環境を持つ家でなければなりません。

 

昔の民家は障子と雨戸の田の字の家が多いし、日本の風土に合致していると思いますがどうでしょう。今の人では寒すぎて生活できないでしょうね。これも一つの日本民族の歴史・文化と考えてあげて下さい。

母がかまどで飯を炊き、家事をこなしている。玄関の両開きの引戸は開けられていて、その外の庭では子供たちが遊んでいる。ふっと子供が寂しくなったら母親の方を見て確認すれば、又安心して遊び始める。食事の時間になれば父親の座が決まっており、もちろん母親の座も決まっており、いなくてもその場は空けてあった。子供たちの場所も決まっており、不在の位置は空けている。いない人がすぐわかる寸法です。昔は5~6人の子供は多くの家庭の風景であったと記憶しています。障子と雨戸ですから、常に新鮮な空気のある家で、心身共に健康であったと考えています。

しかし、時代を経て障子と雨戸の家は、ガラス戸になり、そしてサッシへと気密化されていきます。

現在の家づくりの問題点

今日の家づくりは、業者が利益追求する家づくりになりました。人間が家の中で生活する環境であることを知っていながら、利益追求のための家づくりになっているのが現状です。例えば、日本の風土は、夏は高温多湿、冬は低温乾燥、そして多雨な気候であり、まずこの風土に対応しているかが重要です。

皆さんご存じのシックハウス症候群と言われるように、国民に危害を加えた家づくり。それを国は換気装置の義務化の法律で乗り切ろうとしましたが、私は解消されていないと考えます。これは家の空気質が悪いので空気を換気装置で入れ替えれば良いというだけ。私から言わせれば、熱が出たから頭に氷水を当てて冷やしただけの法律であり、この換気装置を停止すれば元のシックハウスです抜本的対策ではないのです。厳しく言えば机上の空論で実際にはシックハウス対策のできていない家に住まわされていますので、更なる抜本的対策を国には示して頂きたいのです。

「HSG理念」の設計を「通気断熱WB工法」にて具現化するコキハウス

この時に出会ったのが『通気断熱WB工法』という工法です。この工法は住み手の健康な生活ができる空気質を追求された工法であり、この出会いは、『HSGの住まいの理念』との合体により具現化できると確信し、「日本人を救うことができる家づくり」になると確信を致しました

さらに木材店として特筆すべきは、WB工法で建てた家の木材は、常に乾燥状態にあるということです。これを専門的に言えば、初期の強度の持続・継続を意味します。

この、『HSGの住まいの理念』と『通気断熱WB工法』を組み合わせた家づくりが、私共の提唱する「コキハウス」です。

「日本人を救う家づくり」=コキハウスをご希望でしたら、少し時間はかかりますが、しっかりした理念に基づく空気質の正常値の家づくりのお手伝いをさせて頂きたいと考えています。

 

ご興味をお持ちでしたら、毎月開催している「家づくり教室」にご参加ください。また、実際に見学をご希望の方は、建てさせて頂きました家にご案内致します

 

最後に、先人たちの「住まい」に対する言葉を記して締めとします。

「居(住まい)は気(精神)を移す(変える)」(孟子)
「住まいとは人格形成の場である」(ソクラテス)
「住宅は家族に最も影響力、感化力を与える中心的生活環境」(ハンチントン)
「住宅は人間形成の道場」(松下幸之助)
「人間は住宅という環境をつくり住み、その環境によって人生を支配される」(冨田辰雄[住宅職人])

 

このように先人の方々は「住まい」を環境として捉え、「住まい」の感化力について認識されての言葉ではないでしょうか。

 

最後まで読んで下さりお礼申し上げますとともに、ご自分が宜しいと思われる家を、お造り下さることを願っています。

 

皆様それぞれ「理想のお住まい」をお考えでしょうが、弊社では、『住まいとは建物であると同時に一番身近な環境であり、住み手はその環境の影響を受け続ける』ことを住まいの本質と考えております。

 

松倉 守 拝

 

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